尼崎市医師会会長所信表明(第548号 平成27年8月1日)

(第548号 平成27年8月1日)
尼崎市医師会会長 黒田 佳治

6月27日に開催されました第4回定時代議員会におきまして引き続き2期目の医師会長に選任いただきました黒田です。今期も尼崎市医師会のよき伝統である「和をもって尊しとする」、「学閥を作らず」を大切にし、会務を運営していきたいと思います。尼崎市民の信頼に応え、尼崎市民の安心、安全な暮らしを守るため、国民皆保険制度の基、より質の高い医療を提供し、地域の保健、医療、福祉の向上、市民の健康と幸福に寄与していく事がわれわれに課せられた責務で医師会の役割と考えます。この信念を持ち、個々の患者の状態に則した良質かつ適切な医療を提供していきたいと思います。
 
 尼崎市医師会は地区会、分科医会を持って構成されており、地区会、分科医会の活性が尼崎市医師会全体の力となります。今期も残念ながら全地区、全医会からの執行部就任は叶いませんでしたが、今期選出された皆様と共に、設立100周年、休日夜間急病診療所を含む新医師会館建設、地域包括ケアシステムの構築、「h-Anshinむこねっと」の運用などの事業を着実に進めていきたいと思います。これからの100年に向け、尼崎市医師会が大きく変わる大切な時期です。会員の皆様の協力の基、今期執行部と共に、この大切な時期の会務を行いたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
 今期は新医師会館の具体的な設計、施工を決める時期になります。会員の皆様のご意見を反映し、立派な新医師会館を設計、建築したいと思います。
 医師会設立100周年の記念行事や記念事業の計画も進め、来年10月23日に執り行います記念式典を是非成功させたいと思います。会員全員で共に祝う事ができますように考えたいと思います。
 次に尼崎市医師会が中心に運営を行っています「h-Anshinむこねっと」が平成27年度から一般社団法人阪神医療福祉情報ネットワーク協議会によって、本運用が開始されています。2次救急システムは新聞等にも取り上げられるほど成果が現れており、市民の救急搬送になくてはならないものとなっています。さらに、照会回数を減らせるように、消防局と受け入れ病院の調整をしていきたいと思います。患者情報システムも基幹病院がほとんど全て開示病院として開示を始め、参照医療機関も徐々に増加しています。協議会が独り立ちするためにはもっと多くの参照医療機関の登録が不可欠で、システムの良さをお知らせし、入会いただけるようにしたいと思います。今後、地域包括ケアシステムの構築に医療介護連携ICTシステムとしてのシステムを作り、発展させたいと考えています。地域連携パスも「h-Anshinむこねっと」で行うことが出来るようにする予定です。
 1期目にお約束していました「会員を守る」ための医療安全講習会も今期も開催したいと思います。医療事故調査制度が10月から始まるのを受け、会員が医療事故を起こさないように、万が一起きた場合に最善の対応が出来るように医師会として対応を考えなければならないと思います。前期に引き続き、会員の生涯教育の充実、自浄作用活性化、インシデントレポート収集も行ってまいります。
 また市民に対して、市民の生命と健康を守るための適塩化推進運動、尼崎市民禁煙フォーラム、糖尿病フォーラムなどをはじめ各分科医会が行っています市民向けの事業をもっと推進し、市民と医師会の距離を縮めて行きたいと思います。また市の行っています特定検診、特定保健指導、各種がん検診、ワクチン接種などに協力し、市民の健康維持増進を進めていきたいと思います。特に今期は尼崎市内の受動喫煙防止条例の制定の推進など受動喫煙防止運動を引き続き行っていきます。休日夜間急病診療所の運営も市民にとって安心に暮らすためには必要な事業です。小児救急が今期から0時以降県立尼崎総合医療センターに移りました。市民に迷惑がかからないように協力していきたいと思います。ホームページを利用し、市民との距離を縮める親しみやすい医師会の対外広報も重要課題です。
 2025年とその後を見据えた地域医療構想、地域包括ケアシステムの構築に関して、多職種連携を図るために地域包括ケア委員会を設置、もっと具体的に推進していきたいと思います。
 
 これら以外にも多くの大切な会務があります。非常に微力ですが尼崎市民のため、尼崎市医師会のため、会員の皆様のため会長として執行部一同と共に精一杯頑張りたいと思います。今後とも皆様のご支援、ご協力をお願いし、所信表明とさせていただきます。