第3回 尼崎市適塩化フォーラム開催(第582号 平成30年6月1日)
2018/07/04(水)
第3回 尼崎市適塩化フォーラム開催
5・13
ヘルスアップ尼崎・適塩化実行委員会 委員長 勝谷 友宏
五月晴れの日が過ぎ、生憎の空模様の5月13日(日)、都ホテルニューアルカイックにて、第3回尼崎市適塩化(減塩)フォーラムが開催されました。今年も、第15回ヘルスアップ尼崎戦略フォーラムとともに「あなたのカラダにイイコトデイ」と銘打ち、尼崎市、日本高血圧協会、尼崎市の医師会・歯科医師会・薬剤師会・商工会議所、兵庫県の栄養士会・看護協会・県立尼崎総合医療センター(AGMC)、それに関西労災病院、園田学園と数多くの団体の共催で実施されました。実行委員会のメンバーも全て手弁当での参加で、医師会の先生方を中心に、本当に多くの皆さまのご協力、ご支援で実施に漕ぎつけられましたこと、厚く御礼申し上げます。
今年は「みんないきいき○っと減塩」とサブタイトルを冠したように、適塩化推進を中心に据え、過去2年よりは少しコンパクトに開催しましたが、警報の出る豪雨の中にも関わらず1000名の方にご参加いただくことができました。特に、医師会、AGMCの先生方にもご出務いただいた健康相談には、全団体ブースで450名を超える市民の方が訪れ、日頃聞けない疑問が解決し、とても満足しました、との声を多数伺うことが出来ました。雨天の中、多くの市民の方が最後まで残っていただけたのには、オムロンの血圧計10台が当たる!抽選会も魅力的だったかもしれません。
さて、午前のメインシンポジウムは稲村和美市長の御挨拶に引き続いて、国際医療福祉大学・臨床検査医学の下澤達雄教授のご講演でした。タイトルは「味噌・塩・醬油とあなたの健康」で、市民向けにわかりやすく、健康寿命延伸のための塩と血圧管理の重要性を科学的に話していただきました。中でも、やおら取り出したクラリネットで六甲おろしとモーツアルトの演奏(図1)をされたのには度肝を抜かれましたが、何を隠そう下澤先生は日本クラリネット協会の副理事長も務めるマルチタレントなのでした。続いて行われた知的書評合戦ビブリオバトルは、「健康」をテーマに自分の気に入った本を5分きっかりで紹介するものでしたが、私も含めた市民(中学生も!)や団体代表6名が参加(図2)、個性豊かな本の紹介は時間を忘れさせる見事なもので、最後は観客投票で一等賞を選出、盛り上がりの中で午前の部を終了しました。
今年は、お昼休みの時間をしっかり取り、健康屋台を楽しんでいただく企画で、野菜たっぷりのサンドイッチ・スープ・パスタ・あんかけチャンポン・珍々鍋スープ・ワッフル・スムージー・お米のアイスなど塩分と繊維質に配慮した魅力的なメニューの屋台6店舗が並びました。しかしながら、横殴りの雨風となり、折角出店していただいたお店の皆さまには、十分な売り上げにつなげられませんでしたことを、この場を借りてお詫び申し上げます。でも、初出店の2店舗も含めて、身体にいいメニューを美味しく食べさせていただくことができました。ボランティアに近いご協力、本当に有難うございました。
午後のシンポジウムは、千葉大学予防医学センターの近藤克則教授から「認知症の少ないまちづくり」と題してご講演いただきました。私がバトルで披露した「健康格差」という新書にも近藤先生のお話が出て参りますが、低所得者層で生活習慣病の早期発症が目立つという先生の研究成果を元に、若い頃からの適塩化生活が将来の認知症発症予防にもつながることを(図3)、英国が国ぐるみで減塩に成功した例などを交えながらご紹介いただきました。続いて、恒例のスポーツクラブルネサンス尼崎の佐藤ひさき様の健康体操「認知症予防に効果的な脳トレ」で身体をほぐし、吉本と松竹出身の市職員お二人(図4)による「お笑い行政講座」と題した健康漫才(十分プロでやっていけるレベルでした!)で笑った後、特別講演に家庭料理研究家の奥薗壽子先生を壇上にお迎えしました(図5)。TVでもお馴染みの奥薗さんは「くらしの笑顔は食卓から〜これなら出来る!奥薗流 野菜たっぷり&減塩食習慣」のタイトルで、スライドなしの90分、明日からの食卓に役立つメニューとコツをしっかり伝授してくれました。凝った健康料理のレシピは多数ありますが、時短・手抜き?で美味しく適塩化料理を作るためのポイントの数々は「目から鱗が落ちる」内容でした。
この他にも、学術セミナー、企業展示、みんなの尼崎大学・春セミナーなど盛り沢山な内容は紹介しきれませんでしたので、この辺は内科医会通信も併せてお読みいただきたいと思います。
最後に、陰に日向に支えていただきました黒田会長、尼崎市健康支援担当の皆さん、内科医会ならびにAGMCの先生方に厚く御礼申し上げます。