ペーパーレスが始まります ― アナログからデジタルへ ~尼崎市医師会の改革~ ― (第603号令和2年3月1日)

ペーパーレスが始まります ― アナログからデジタルへ ~尼崎市医師会の改革~ ―

広報担当理事 鈴木 温

4月から いよいよ尼崎市医師会でペーパーレスが始まります。

時代の流れ、経費削減、事務処理作業軽減など、開始の理由は様々ですが、元はと言えば平成29年4月から県医師会からの配布物が会員直送となり、県医師会から送られてくる配布物を会員に配布していた尼崎市医師会の事務処理費名目の補助金がなくなったことが一つの大きなきっかけではないでしょうか。当時の医療情報・会計担当副会長であった東文造現会長は、尼医ニュース第573号で『配布物のペーパーレス化についてご協力を‼』という記事を投稿されています。当時の黒田佳治会長が同時期に『医師会よりの配布物のペーパーレス化について』という諮問を医療情報委員会にされて、尼崎市医師会内部でも本格的に議論が始まりました。

答申(尼医ニュース第583号)によりますと、答申の副題として『アナログからデジタルへ〜尼崎市医師会の改革〜』とつけられ、今後否応なく益々進んでいくICT化に対して尼崎市医師会員全員が時代の流れに取り残されることなく、遅滞なく必要な技術を取り入れ使いこなすために、今できることのひとつとして、FAX・郵便主体のアナログスタイルから、メール・SNSを中心としたIT化へのシフトが必要だと考える、と述べられています。もちろん、経費面でも医師会の厳しい財政状況を改善させる一助になりますし、事務局がおこなっているFAX・郵送のための作業時間も大幅に軽減できそうです。

ペーパーレスは自院に関しては、良いことだけのように考えています。尼医FAX情報はすでに尼医メール情報に切り替えられていて毎日印刷用の紙を消費する必要はないですし、メールで連絡することが主体ですから、診療中の他院に電話して忙しい先生方や事務局に対応を迫る必要もありませんから、気を遣わなくてすみます。ただ、メールでは伝わらないニュアンスなどは、直接お話しする必要もありますので、時間が出来たらお電話くださいと書く必要がありますが。また、スマホやタブレットと同期させておけば、診療所に居ることなくメールを受け取ることができて、時間と場所の制約から解放されます。配布物に関しても、眼科という診療科の性格上それ程重要でない配布物が沢山送られてくるのは事業ゴミが増えるばっかりで困ります。職務上、医師会HPを見ることは日常作業になっておりますので、会員ページにあります赤字で書かれた回覧文書欄をチェックすることには手間を感じません。しかし、全ての医療機関にとって良いことだけとは限らないことは承知しております。見方を変えれば、医師会事務局がしていた事を医療機関にしていただくことになりますから、手間が増える、サービスの低下だという声がある事も承知しております。厳しい財政事情で地区並びに分科医会への補助金減額、理事の出務費減額、セミナー等の統廃合、新医師会館建設資金貯蓄の一時停止など財政改善に舵を切らざるを得なかった執行部が金銭的事情だけで無理に進めたのではないかというご批判がある事も承知しております。

ペーパーレスの開始で最初は多少の不自由を感じられることもあると思いますし、システム的に不具合が見落とされていることも想像されますので、その点に関しましては改善していきたいと考えています。ですが、時代の趨勢を考えますと尼崎市医師会もアナログ主体の現状を変えていく事は必然であると思いますし、スマホやPCの普及率、オンライン請求の普及率を考えますとその土台はおおよそ出来上がっていると考えます。

会員の皆様方にはご理解、ご協力の程をお願い申し上げます。