「令和6年 尼崎市医師会新年祝賀会報告」(第650号令和6年2月1日)

令和6年 尼崎市医師会新年祝賀会報告  1・20

 

広報担当 大澤 芳清

 
表記の会が、新型コロナウイルス感染症の感染症法上での扱いが5類となって初めて開催されました。会員とご来賓の方を合わせて121名にご参加をいただき、都ホテル尼崎にて盛大に行われました。
庶務担当である夏秋恵理事の総合司会で、会は進められました。開会に先立ち、1月1日に発災した能登半島地震でお亡くなりになられた方への黙祷が行われました。
続いて鈴木温副会長から開会のことばがありました。能登半島地震では、大阪府や兵庫県でも震度4を記録したことから尼崎市医師会安否情報確認システムが稼働いたしました。発災時には安否確認メールへのご回答をいただき、まだご登録いただいていない会員の先生方にはご登録をお願いする旨の訴えが行われました。その後、新年祝賀会の開会を宣言されました。
国歌斉唱が行われ、杉原加壽子会長からのご挨拶となりました。全文をご紹介いたします。
「みなさま、明けましておめでとうございます。今年は元旦から能登半島地震で始まり、それに続いて日本航空の旅客機と海上保安庁の航空機が衝突するという事故もあり、不穏な年明けとなりました。犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々、避難されている方々に心よりお見舞いを申し上げます。この能登半島地震に際し、1月10日から兵庫JMATは被災地での活動を始めており、1月18日から本日20日まで尼崎市医師会からは救急災害担当理事の新藤高士先生と災害医療ロジスティクスとして医師会館の中西慎さんが七尾市を拠点とした支援業務に就かれています。兵庫県医師会長の八田昌樹先生も1月20日の公務の後に能登半島の兵庫JMAT派遣業務の視察に行かれたことをご報告いたします。
新しい年の始まりが波乱に満ちたものとなりましたが、本日ご多忙の中、ご臨席賜りました松本市長をはじめご来賓の方々、会員の先生方には厚く御礼を申し上げます。今年の4月から始まる働き方改革により人手不足が加速し、コロナ禍を経て少子化問題もさらに深刻なものとなっており、またかねてより言われていました2025年問題も来年に差し迫って参りました。この超少子高齢化社会をむかえ、地域で支える取り組みの一つとして地域共生社会の実現が重要となっています。私は、尼崎市医師会長の任をいただきました頃より、小児科医としての視点で尼崎市医療・介護連携支援センター「あまつなぎ」を全世代型の療養支援として活用できる形にし、医療と福祉との連携を進めていけたらいいなと考えておりました。医療と介護の連携はすでに成熟したものとなっていると思いますが、介護保険の対象とならない若年の障害児者にとって、制度や法律の壁は厚く、充分な支援体制の構築が難しい状況があります。また、ヤングケアラーやひきこもり等、社会資源に繋がっていない支援の必要な方々を拾い上げるシステム作りや、小児から成人への移行期医療についての課題なども山積しており、その解決に向けて、制度を超えて地域で支える体制づくりを目指していきたいと思っています。医療と保健の連携は言うまでもなく、今後は医療と福祉の連携を目指して取り組みたいと思っています。昨年11月に松本市長が示されました「こども子育てアクションプラン」がありますが、その実現とともに、尼崎市と協働して、若い世代や様々な困難を抱えた方が住みやすい街になるよう尼崎市医師会として「あまつなぎ」の取り組みを進めていきたいと考えています。
また、令和7年には尼崎市休日夜間急病診療所が市役所の向かいにある駐車場の場所に移転し、尼崎市医師会の指定管理となり、その運営が開始されることになっています。今年はその建設に向けての準備が慌ただしくなるものと思われます。医師会館の建設問題を含め、私たち尼崎市医師会の足元の基盤をどうしていくのか、会員の高齢化も進む中で先生方とともに考えていく年にしたいと思っております。社会や医療のDX化が進む中で私たちの対応は否が応でも変わらざるを得ませんので、先を見据えた計画を進めていく所存です。
今年は辰年、変化や発展の象徴として縁起のいい年ともいわれていますので、いい1年になりますよう願っています。
最後になりましたが、ここにお集まりの先生方のますますのご健勝をお祈りいたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。本日はゆっくりとお楽しみください。ありがとうございました。」
年頭祝辞は、兵庫県医師会副会長鈴木克司先生、尼崎市長松本眞様、尼崎市議会議長福島さとり様、尼崎市歯科医師会会長松田哲一様、尼崎市薬剤師会会長牧孝子様よりいただきました。鈴木克司先生は、能登半島地震に関連して兵庫県医師会会長八田昌樹先生が1月20日より石川県へ視察に出発されたことをご報告されました。来年度の診療報酬については、職員の処遇改善のための引き上げが重要であると述べられました。松本眞尼崎市長は、尼崎市医師会が行なっている日々の活動に対して感謝の意を表されました。全世代型の取り組みをすすめ、聴覚スクリーニング検査や産後ケアの拡充をされるようです。市役所の南側に新しい休日夜間急病診療所が、令和7年度中の完成を目指して建設されると報告されました。看護専門学校については、医療を支える重要な看護師の養成機関と認識しているそうです。尼崎市として、尼崎健康医療財団や看護専門学校の管理運営に十分に関わっていくとお話しされました。
来賓祝辞は衆議院議員中野洋昌様よりいただきました。物価上昇に負けない賃上げをしていくことが政府の方針です。診療報酬がついていけないのは問題であり、政府に対して発言されることを表明されました。
尼崎市医師会代議員会議長橋本創先生の乾杯挨拶で、祝宴が始まりました。ビュッフェ形式ではなく、昨年同様に各テーブルに料理が配られるコース料理でした。今年の祝賀会は、笑顔と笑い声が会場一杯に溢れるとても楽しい会でした。ご自分の席にお座りいただいた時間より移動されてお話をされていた時間が長い方がほとんどであったように思います。「顔が見える連携」の成果を改めて感じた3時間でした。
原秀憲副会長から閉会のことばがありました。
登壇されると会場内から声がかかり、原副会長のお人柄がよくわかるご挨拶となりました。コロナ禍で行なってきた尼崎市医師会の往診など先進的な取り組みに対して財政的支援をしていただいた尼崎市に謝意を述べられました。成長期にある尼崎市を下支えし、病気や障がいがあっても要介護者になっても楽しく幸せに暮らせる尼崎市を共に作りましょうと訴えられ、会場は大きな拍手に包まれました。最後は原副会長の音頭による一丁締めで会はお開きとなりました。ご出席いただきました皆様、ご準備いただきました理事の皆様ありがとうございました。